都市はどう変わっていくのか 2

これら正統派の機械製造企業や材料供給企業の工場群が、自らの体質を変えて、新しい研究開発の場をここに再生していくこと・・・


これが第一の課題となってくるでしょう。


その変化に必要な施設群をこの埋立地に考えてみます。


たとえば研究所群になってもいいでしょうし、試作工場が集まっている先端型の工場団地があってもいいでしょう。


また、そういう研究開発・技術開発に従事する高級エンジニアのための住宅団地があってもいいでしょう。


これらのメーカーがつくりだした先端的な技術を駆使した、ディズニーランドを上回るハイテク結晶型の遊園地がここにつくられてもいいと思います。


もちろん工場敷地には思い切って樹木を植えていきます。


全体としては、水辺に面した緑地帯が、これらの施設や住宅団地の間に介在していく市街地ができあがってほしいものです。


高度の工業技術開発がそのなかから独自の文化を生み出し、その文化施設群が工場地域のなかに展開し、両者の融合によって、技術文化を広く市民が楽しめる市街地がこの臨海部に誕生してくることは期待していいと思います。


都市はどう変わっていくのか

今日は、「都市はどう変わっていくのか」ということについて考えてみたいと思います。


実体としては、首都高速道路から海側の埋立地に立地している工場群は再開発によって整理されるとしても、高速道路を超えて内側の既成市街地が、良質の住宅市街地に変わることまでは期待できないと思います。


むしろ、東京都心部を出発点として羽田まで波及してきた臨海埋立地の土地利用の変化・・・


それにMM21を起点として臨海部を北上してくるであろう土地利用の変化をうけて、その中間に位置する川崎臨海部が変わらざるをえなくなってきていると認識するほうが現実的でしょう。


つまり、川崎市の臨海工場地帯の後ろにある既成市街地の変化は、一応切り離しておくということです。


そして、MM21を起点として13号地を終点とする帯状の新しい広域的な臨海都市形成の一部分として、川崎市の臨海部を考えるほうがいいということです。


川崎市はいい意味でも悪い意味でも工業都市です。


研究に依存する技術開発型の産業都市です。


今でも川崎市の内陸部には、日本を代表する電機・情報メーカーの技術開発用の研究所が全部そろっています。


しかし湾岸部は昭和30年代、40年代の日本を支えてきた重化学工業型の工場用地で埋め尽くされています。


したがって、一見すれば生産がまだ続いているような工場であっても、その建物のなかにはまったく利用されていない遊休施設が数多く存在していることも事実なのです。

合成洗剤の問題点 8

新しく登場してきたコンパクト型洗剤、外資系の合成洗剤の環境や生物に対する影響については、述べたとおりです。


しかし、石けんがどんなに安全でも、洗剤として肝心の洗う力"洗浄力が決定的に劣っていたのでは話になりません。


最近の企業側の新規合成洗剤のコマーシャルは甚だしく過激で、同時に汚れが雲散霧消するかのような印象を強調し、バイオ、ハイテクなどと称して消費者の目をまどわすような傾向がみられます。


事実、私もこの実験をするまでは、コンパクト型、外資系の洗剤の洗浄力は、あるいは石けんよりも優れているのではないか、などとさえ思っていました。


いうまでもなく、洗浄力というのは、水の硬度や温度、phなどと関連し、洗浄対象や洗浄方法などともひろく関係するものです。


これを一概に定義するのは非常に困難であることは、いうまでもないでしょう。


しかし、私たちにとって問題なのは、日本のごく一般的な軟水域での、ごく普通の水道水による家庭での洗濯方法に準拠して、生活現場の洗濯物を洗った場合の洗浄力の強さです。


それと同時に、普通の主婦のシビアな判断に基づく洗いあがりのよさがどうなのか、ということです。

合成洗剤の問題点 7

合成洗剤がヒトに対して、いま直ちに有害であるかどうかは別としても・・・


ひろく水・環境・生体への安全性を確保するうえで、すくなくともその問題点までも否定して、いちがいに


「合成洗剤は安全である」


・・・などと公言することには、大きな問題があります。


ましてそうした問題をそのままにして、石けんをさしおいて合成洗剤の無限定的な利用をすすめるような態度は、とうてい科学的であるとは言えません。


以上のような考え方にもとついて、合成洗剤にくらべて問題のない、あるいはより問題の少ない石けんを使用しようという消費者の運動は、極めて正当だといえます。


石けん運動に対する一部の企業やマスコミ関係者の非難や中傷には、まったく根拠がないといえるでしょう。


合成洗剤の問題点 6

生物影響濃度を上回るLASなどの陰イオン活性剤による水の汚染が、全国各地でみられます。


有害最低濃度とみなすべき0.1ppmをこえる濃度水域が、私たちの身近な水環境の大部分をしめているといえます。


MBAS法(陰イオン界面活性物質のトータルを測定する方法)による濃度が示されている図があります。


これによると、LAS自体の濃度でもこの数値をやや下回る程度であると考えてもよいでしょう。


すでに1979年時点でも、京都市内の、水道法の測定対象とはならない非イオン系界面活性剤の濃度は陰イオン系に比べてかなり高い比率に達していることが分かります。


非イオン系の安全性に関するデータがなお十分であるとは思われない現状では、こうした傾向がしだいに拡散していくことは問題であると思います。


環境汚染の実態は、家庭や工場の排水ロを出た最初の濃度、たとえばABSの場合のように1000ppm台から始まり、小、中、大河川、湖沼、海洋にいたる全体で評価されるべきでしょう。


希釈濃度(うすめられた濃度)水域だけに着目して安易に合成洗剤は安全である、などといい、それらの濫用を促進して、いっそう汚染レベルをあげるようなことをするのは正しいことではありません。

合成洗剤の問題点 5

現状では、単純に合成洗剤の催奇性はシロと言い切ることには疑問があります。


むしろ、哺乳動物の催奇性の有無については両論が対立した状況にある、と冷静に受け取ることが正しいと思われます。


私たちは、合成洗剤の高等動物での催奇性をあえてシロであるとした判定にしたがって、合成洗剤に依存し続ける必要はまったくありません。


環境や生態系の保全を考えるうえで、私たちの周辺の水域には、魚などに奇形が発生しうる10ppm台の合成洗剤による汚染が現にみられるという事実だけでも、大変なことであると思うのです。


ヒトの場合でも、胎児が化学物質に対して非常に敏感な胎盤胞期や胚期などを経由して、形態的に魚類や両せい類に非常によく似た過程を通って羊水の海のなかで発達します。


そのことを考えると、個別の濃度レベル以前の問題として「疑わしきは避ける」という人類の叡知に逆らうような判断を安易にしないほうが正しいといえるのではないでしょうか。

合成洗剤の問題点 4

合成洗剤による催奇性については、ある大学教授がネズミへの塗沫実験ではじめて報告されました。


その後、4大学の共同研究(1974~78年)が行なわれています。


班長の京都大学の教授(現名誉教授)が、周囲の反対にもかかわらず、催奇性はないとの班長報告が行なわれ、厚生省、マスコミ、業界などがこれを一方的にとりあげてきたといういきさつがあります。


他方で、メダカの卵を30ppm程度の合成洗剤液に3時間つけると高率で奇形が発生するという事実が、三重大学のある教授によって報告されています。


さらに、両せい類のオオサンショウウオの卵でも15ppm程度の合成洗剤液に24~48時間ふれさせたあと自然水にもどす実験でも、顕著な奇形を生じることを羽鳥博士が発表していることにも注目したいと思います。


このような魚類、両せい類のなどの発生過程での合成洗剤による奇形の発現については十二分に再現性があり、学界の定説になっているといってもよいでしょう。

合成洗剤の問題点 3

石けん以外の界面活性剤が選択される場合。


そんな場合には、可能な限り安全性関係のデータを検討したうえで、特に分解性が石けんと同一水準、あるいはそれ以上に分解性に富んだ界面活性剤を選ぶことが必要です。


しかも、できる限り少量を注意して使用することが望ましいと思われます。


代表的な界面活性剤の生分解を示した図などは調べればすぐに見ることが出来るので、気になった方は一度見ておくことをおすすめします。


最近、合成洗剤の毒性を考えるうえで、意識的にか無意識的にかは分かりませんが、催奇性(奇形を発生させる性質)にふれようとしない傾向がみられるのは問題です。


これまでにも催奇性については多々論じられてきました。


ここでもう一度、このことをどう考えるべきかについて整理しておきたいと思います。


合成洗剤の問題点 2

LASのヒトに対する問題性については、いろいろな論争があることは事実です。


しかし、人工合成化学物質の人体への摂取をなるべく避けて、石鹸を使おうとするわたしたち消費者の考え方は、もっとも分かりやすく、極めて合理的であるといえるでしょう。


ワイキューブ研究所によると、LASについてのさまざまな問題点が明確にされるにしたがって、現在、業界で非LAS化が次第に進行しています。


これは、消費者の運動の一応の成果ではありますが、この場合LAS以外の化学構造をもつ界面活性剤が多様化に、そして安易に使われる傾向はあることにも注意する必要があります。


一般にLAS以外の界面活性剤の環境、生物、生理学的な研究報告はLASほど多くはないのです。


それにもかかわらず、現在のところ、界面活性剤の使用には食品添加物などのような公的な認証を必要とせず、企業の任意の判断で種々の界面活性剤がひろく使われている点に注意する必要があります。


合成洗剤の問題点

三重大学元学長のある名誉教授は、このようなことを言っています。


魚類、両せい類などで催奇性が明確に証明されている以上、哺乳動物では論争があっても、同じ生物であるヒトの胎児発生の場合にまったく問題がないと言い切ってはならない、と常々強調していました。


たしかにLASの生体影響については、皮膚や口を通して人体内に吸収される濃度の水準を問題にしなければなりません。


また、スペースコレクションリサーチによると、最大無作用量も一応100ミリグラム/キログラムの水準であり、比較的低毒性物質の範囲にあると報告されています。


しかし、実験動物での色々な報告を軽くみてもよいとは思いません。


まして、洗浄力ではLASに決して劣らない、そして安全性にも問題ない石けんが十分使える地域では、LASをあえて使わなけれまならない理由はまったくありません。

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