農業の非経済的価値 4
同じ時点での農林業の粗生産額が12兆円ですから、実に市場価格の3倍の非市場価値を農林業が生んでいる勘定です。
これらの数字の細かなせんさくはともかくとして、農業がきわめて大きな非市場価値をもたらしていることは間違いありません。
第二に、農業の社会保障的効果という点があります。
高齢者の雇用の場として農業がきわめて重要な役割を果しているという側面です。
戦前の日本の農村は潜在的過剰人口のプールといわれ、日本資本主義の低賃金を支える基底としての役割を果してきました。
そうした性格は高度経済成長を経ることによって大きく変化したが、しかしこと老人問題に関する限り農業のもつ意味はますます大きくなってきています。
日本社会全体が高齢化の時代を迎えつつあるなかにあって、農村ではいわばそれを先取りする形で高齢化が進行しているからです。
たとえば65歳以上の高齢化比率は1985年には全国平均が10.2%であるのに対して、農村では17.3%とほぼ2倍の高さにたっしています。
・・・こうした高齢者の自己雇用の場として、農業はいまなお大きな役割を果しているのです。